私が25年間、地元の中小企業で働き続けることができたのは、決して私一人の力ではありません。そこには、私の想像を超える周囲の支えがありました。 9人の同僚が受けてくれた「緊急時講習」 VAD(補助人工心臓)を装着して出社する。それは会社にとっても、私にとっても大きな挑戦でした。もし職場で私が倒れたら、誰がどう対処すればいいのか。 そんな不安を払拭してくれたのは、同じ職場の仲間たちでした。なんと9名もの同僚が、VADの緊急事態への対処法を学ぶ講習を自発的に受けてくれたのです。 「もしもの時は俺たちがやるから、安心して仕事に来い」 その言葉に、どれほど救われたかわかりません。彼らの献身的な理解があったからこそ、私は社会から孤立せず、退職の日まで胸を張って働くことができました。 病気を抱えた17年、会社がくれた「誇り」 巨細胞性心筋炎という難病を患い、心臓移植を待つ身であった私を、会社は最後まで「一人の社員」として扱い続けてくれました。家族が大きくなるまでお給料を出し続けてくれた会社には、感謝の言葉しか見当たりません。 25年間の後半は、病気との戦いでした。しかし、その戦場を共に歩んでくれた9人の仲間と、居場所を奪わなかった会社があったからこそ、私の25年は輝かしいものとして幕を閉じることができたのです。