「職場の床で聴いた『トイレの神様』。突然の意識喪失と救急搬送、それでも僕が『病人らしく』振る舞わなかった理由」

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窓拭きの最中、突然意識が遠のいた。 気づけば職場のカーペットの上。頭の中に流れるのは「トイレの神様」。 「やっちまった…」 絶望と恥ずかしさの中で、上司や仲間の温かさに救われた日。 何度倒れても、その都度「再スタート」すればいい。 迷惑をかけながら、丁寧に生きる僕の記録。


あれは前回、入院して、
2年たったころのことだ。

その日は朝からいつも通り会社に出勤していて、
あれやこれやと忙しくしていた。

午前中は何事もなく仕事をこなし、
いつも通りの平日の昼下がりだった。

うちの会社は掃除にうるさい会社で、
経営者に窓が汚れていたり、
事務所まわりが汚れていると、

『あそこは汚い』とレッテルを貼られ
いつまでもそのイメージがついてしまう。

そこで事務所の掃除をここいらへんで
やっておくかということになり、
手分けして掃除を始めた。

順調に掃除は進んだ、
大勢の人が関わればわけない作業だ。

最後に事務所の横に応接室がある。
そこの窓拭きが残っていたので、
俺と事務員と2人で取り掛かることになった。

入り口のドアを拭き、

立ち上がった、

立ちくらみがした、

意識が遠のいた・・。


気づくとカーペットの上に倒れていた。
しばらく動けなかった。
頭では「トイレの神様」がリピート再生されていた。

「あーきさん、あーきさん」と声が聞こえてきた。
「あれっ、俺なんで寝てんだ」としばらく解らないでいた。

「あ、俺倒れたんだ」と気がつき、
「ごめんね、救急車呼んでくれる」
と近くにいた事務員さんにお願いした。

俺は、バレンタインの夜のことを思い出した。
何度も何度も気を失い、DC(電気ショック)くらい。
死にたくね!!と叫んだ夜。


俺はしばらく寝たまま、何もできなかった。

「やっちまった・・」俺はこの時、初めて会社で倒れた。

こういうこともあるかなと思っていた。
本当にあった、ショックだった。

しばらく何もできずに寝ていると、
遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。

俺は担架で運んでもらった。
隣町の病院まで救急搬送された。

俺の上司が付き添いしてくれた
「大丈夫か?ごめんな、なんもできなくて」

そんなことはない、俺を置いて働かせてもらえる。
それだけで感謝していた。

病院に着きストレッチャーに乗り、救急に運ばれた。
血液検査をした、病院の天井を見ながら、
あのバレンタインデーの夜を思い出していた。

またICU行きかな・・と思っていた。

しばらくすると先生がやって来て、
「薬が足りてないみたい、入院してお薬の調整をしましょう」

俺は内心ホッとした、原因がわかっての入院だった。
あの時みたいに、また持病の原因である『巨細胞くん』
たちが暴れて心筋が炎症を起こしてるんじゃない。

今回はお薬の調整での入院とのことだった。
入院は1週間ほどで済んだ。
心臓移植までの間にはこういった出来事が沢山ある。
本当に感謝しかない人生だ。

倒れた俺に声をかけ続けてくれた事務員さん。
救急車で声をかけてくれた上司。
俺は周りに迷惑をかけながら、できること、だけをやってきた。

俺が入院中は、妻が菓子折り持って会社までいってくれた。
会社ではなるべく明るく人と接してきた。
「病人とは思えない」と言われることがあった。

迷惑かけても、ちょっとしたことで場が整う、
そしてまた再スタートできる。

これを繰り返して難局を乗り越えてきた。
俺はこれからも迷惑をかけて生きてゆくんだろう、
でもそんなとき心は落ち着かせて。

当たり前なことを当たり前にやればいいんだと、生きていけると思う。

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