眠ることを選んだ夜

【心臓移植への道】「目が覚めたら、また生きている。」そう信じて、私はICUのベッドで深い眠りに落ちた。度重なる不整脈の恐怖から逃れるための、一時的な別れと再起への誓い。絶望の淵で選んだ「眠り」という名の戦い。今、暗闇の中で戦っている人に伝えたい、命を繋ぐための勇気と信頼の記録。 不整脈とICU
手と手の温もり: 先生の穏やかな声と、点滴ラインに触れる動作を通じて「孤独ではない」ことを表現します。

不整脈は相変わらず頻繁に起こり、
夜の恐怖は続いていました。

そんなある夜、また不整脈が出ました。
ナースと当直の先生が病室に来てくれました。

来る日も来る日も不整脈。
私は完全に睡眠不足でした。

先生が、静かに声をかけてくれました。

「〇〇さん、これじゃあ眠れないでしょう?
どうですか、少し眠りますか?」

その言葉を聞いたとき、
私はもう心も体も限界でした。

「……頑張りますんで、少し眠ります。」

そう答えていました。


ICUへ

私はICUへ移ることになりました。
しばらく家族とも会えなくなります。

ベッドで天井を見つめながら、
ふと、こんな思いがよぎりました。

「このまま、誰にも会わずに死んでしまうのだろうか…」

怖さと不安が胸に広がりました。

それでも私は決めました。

ここでしっかり体を休める。
もう一度元気になって、
家族に、みんなに顔を見せるための“賭け”でした。


静かな眠りへ

先生が右腕の点滴ラインに触れながら言いました。

「それじゃ、入れますね。」

その声は、とても穏やかでした。

薬が体に入っていく感覚があり、
少しずつ、意識が遠のいていきました。

恐怖よりも、
不思議と安心感のほうが大きかったことを覚えています。

「目が覚めたら、また生きている。」

そう信じて、
私は静かに眠りに落ちていきました。

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